エマーソンと話す堀川会議室(3)ワークショップのテーマ

2024/11/22に京都・堀川会議室で行われる僕のトークイベント+ワークショップ。トークイベントに先立って午後 15:00 から行われるワークショップのテーマを発表します!

告知を始めた当初、15:00 から一時間ずつ 3 つの枠を設けてワークショップを行おうと思っていましたが、それではちょっと時間が足りないのではという判断になってきています。
そこで、みなさんから下記のテーマに対する意見や質問をいただいて、それに基づいて時間配分を組み直そうと思っています。
ワークショップ全体の時間が 15:00 – 17:45 であることは変わりありません。
不明な点がありましたら、参加を決める前でも構いませんから、下記のフォームへ気軽にお問い合わせください。

「エマーソン北村と話す堀川会議室」お問い合わせ・参加予約グーグルフォーム
https://forms.gle/JPLtzA2sE1nvJFzM6

ワークショップ テーマ 1
ザ・ミュージシャン、ジャッキー・ミットー – 「アット・ホーム・アンド・アブロード」 –

 僕にとってのオールタイム・キーボード・プレイヤーであるジャッキー・ミットー (1948-1990) 。レゲエミュージシャンとして、かつ音楽家としてかけがえのない足跡を残した彼の活動については長年自分なりに追ってきたつもりですが(1989年にUSで会ってもいるし)、数年前に Karen A. E. Cyrus という方の著した彼についての論文*を読んで、それまでとはまた違った見方ができるようになりました。ワークショップではこの論文「アット・ホーム・アンド・アブロード」で僕が刺激を受けた点を紹介しつつ、音楽をかけたり目の前のキーボードをパラパラ弾いたりしながら、ジャッキー・ミットーのすごさや彼のやりたかったことについて、みなさんと一緒に想像してみようと思います。時間の都合があるのでホンの「さわり」になると思いますが……

* Jackie Mittoo At Home And Abroad: The Cultural And Musical Negotiations Of A Jamaican Canadian, 2015

ワークショップ テーマ 2
サイン波から作る自分の音色 – FMシンセシスのグルーヴ –

 僕がソロやバンドの多くで演奏するキーボードの音色は、サイン波と呼ばれる倍音を全く持たないシンプルな発振音に最低限の動きをちょちょっと加えて、自分で作ったものを主としています。メモリに保存された豊かな倍音を含む音源を使う、現在主流となっている電子キーボードの音色作りとは逆のやり方です。しかしこの音作りの考え方は1980年代にFMシンセシスとして大きく推奨され、あたかもサイン波からすべての楽器音が作れるかのように言われた時もありました。僕はその言説を「正直」に受けとめすぎたのか、今でも音楽を聴くと「もしこの一つひとつの楽器音から倍音がなくなってゆき、サイン波だけで曲が構成されたらどう聴こえるか」という想像をしてしまいます。それはある場面では、楽曲のアレンジや演奏、グルーヴといったことを考えるのに役立っているかもしれません。
 電子音楽からドラムンベースなど音楽カルチャーとも関わりつつ、同時にとてもパーソナルなものでもある「サイン波からの音作り」を、シンセを「さら」の状態にすることから始めて、実際に音を出しながらお話します。実はオルガンもその仲間です。

ワークショップ テーマ 3
お答えします!ライブとレコーディングのこと – プレヴューのない世界から –

 そもそもこのようなワークショップを行おうと思ったのは、僕のソロなどで出会う若いミュージシャンからいろいろな質問を受けても、ゆっくりと答える時間のないことがきっかけでした。彼らの質問はやはりライヴやレコーディングの「現場」に関することが多く、技術情報としてサクッと答えられるものもあるのですが、せっかくだからそのやりとりが後から拡がっていけるような答えをしようと思うと、「仕事」を離れて集中できる機会が必要になってきます。このワークショップで、そんな時間を持ちたいと思います。
 もちろん質問に答えるだけでなく、僕としてもテーマを持っています。それは、ライヴやレコーディングは本来「プレヴュー」のできない、演奏の結果を俯瞰して見ることのできない作業なのではないか、ということです。モニター・ミックス・セーヴとアンドゥといったミュージシャンが常に直面する作業について、歴史的な視点から細かなTipsまで、いろんな拡大率で考えてみたいです。参加者からの個別の質問を、特にこの枠では歓迎します!

 すべてのワークショップの内容はもちろん、トーク本編のテーマである「グルーヴ、バンド、内と外からの音楽」につながっています。トーク本編はワークショップ終了後、休憩をはさんで 18:30 から行ないます。こちらもよろしくお願いします。


エマーソン北村と話す「グルーヴ、バンド、内と外からの音楽」
2024年11月22日(金)堀川会議室(京都市上京区桝屋町28)
トーク 18:30 – 20:30
ワークショップ 15:00 – 17:45
料金:いずれも無料(投げ銭制)
お問い合わせ・ご予約
https://forms.gle/JPLtzA2sE1nvJFzM6